内見って、何をするの?
1日で、複数の物件を内見できる?
内見では、担当者とどんなやりとりをするの?
内見の目的は、物件のメリット・デメリットを把握し、得られた情報と希望条件を照らし合わせることです。
この記事を読めば、内見の流れとチェックポイント、注意点が分かります。あなたの条件に合う物件を効率的に探すことができます。
はじめて内見をする人にわかりやすく丁寧に解説していきます。
内見とは?当日の流れと注意点
内見とは、「内部見学」の略語です。内見と同じ意味合いで、関西圏では内覧と言うこともあります。内見はサイト(物件情報)や図面ではわからない情報を得ることができます。南向きの物件であっても、近隣の高い建物に遮られて、日当たりが悪いことがあり、内見しないとわかりません。
内見は無料ですが、気になる物件だけに絞ることをオススメします。
内見の所要時間は、1軒につき30~60分。移動時間も考慮すると、1日の内見数は、最大5件以内にしましょう。
可能であれば、1人ではなく、友人や家族に同行してもらいましょう。自分が気づけなかったところを気づいてもらえたり、担当者と話すときも同行者がいれば、心強いです。
実は、内見は気になる物件を見学するだけでなく、担当者はあなたを見ています。入居審査に通る人物かどうかを見ています。服装や言葉遣い、マナーに気をつけましょう。
服装はシンプルで清潔感があれば、カジュアルでOKです。
一挙一動を観察しているわけではありませんが、玄関で脱いだ靴をきちんと揃える人、好印象です!
内見する際は、2~3日前に、インターネットか電話で予約します。
予約が必要な理由は
新年度に備え、引越しをする入居者が多い1~3月は、早めの予約がオススメです。
内見当日の流れ
- 来店予約した不動産会社を訪問
- 担当者に希望の条件を確認する
- 車で内見物件に移動
- 物件の設備や建物周りをチェックする
- 内見がすべて終了したら、担当者と内見結果を相談する
何を重視するかで変わる!内見のオススメ時間帯
内見は日中に行われることが多いです。日の当たる時間帯であれば、リアルに日当たりを確認できます。しかし、夜遅くに帰宅することが多い人は日当たりを重視しません。
内見にオススメの時間帯は?
内見にオススメの時間帯は何を重視するかで変わります。
・通勤時間帯の混雑具合が気になる人にオススメ
マンションであれば、エレベーターの利用状況も確認できます。
・通学路の安全性が気になる人にオススメ
・生活音が気になる人にオススメ
上下左右の部屋から聞こえてくる生活音が確認できます。
・日当たりが気になる人にオススメ
・防音が気になる人にオススメ
在宅率が高くなる夜は、部屋の防音性がわかります。
水を流す音、足音、テレビの音、話し声が聞こえてくるなら防音性が低い構造です。
・帰り道の安全性が気になる人にオススメ
「近くに公園があっていいな」と思っていた物件も、夜は街灯やひと通りがないことも。
女性は、街灯が多いか、大通りを通って帰れるルートがあるか確認しましょう。仕事帰り
に寄れるスーパーがあるかも確認できます。
内見日より前に駅から物件までを歩いて周辺環境を確認しておくのがオススメ。予備知識があると、内見したときに、具体的な生活イメージができ、失敗が少なくなります。時間が取れない場合、周辺環境はGoogleマップやGoogleストリートビューなどで見ておきましょう。
【効率UP!】内見に必要なアイテム5選
内見では、細部をチェックしていきます。メモだけでなく、動画や写真が役に立ちます。
・間取り図
・メジャー(スマホアプリで代用可)
・筆記用具
・カメラ(スマートフォンで代用可)
・方位磁石(スマホアプリで代用可)
・バインダー
・水平器(スマホアプリかビー玉で代用可)
・スリッパ
スリッパは用意されていることが多いですが、気になる人は携帯用スリッパを持参しましょう。細部を確認したい場合は、拡大できるスマートフォンでの撮影がオススメ。
失敗しない部屋選び!内見のチェックポイント
最近は、VRで部屋のイメージを確認できる物件が増えています。イメージをインプットしてからの内見がオススメです。
事前にチェックポイントをリスト化しておくと、チェック漏れがありません。
室内
部屋に入ったら、締切った状態で臭い(タバコ臭、カビ)がないか確認しましょう。
日当たり
日中の内見なら、電気をつけなくても明るいか確認しましょう。日当たりは窓を開けて確認しましょう。明るさだけでなく、風通しも確認します。風通しが悪いと、湿気がこもりやすく、結露やカビの発生原因になります。
部屋の広さ・壁
既存の家具を設置できる十分なスペースがあるかを確認。部屋に傾きがないか水平器でチェックします。床や壁にキズが見つかれば、修繕してもらえるかを確認します。壁に耳を当てて、隣室の音が聞こえないか確認。窓を閉めて、外の音が気にならないかも確認。鉄筋系(RC造、SRC造)の建物は遮音性・耐火性・耐震性が優れています。
特に、大地震や生活音が気になる人は分譲賃貸がオススメです。
「分譲マンションの賃貸」の略語です。分譲マンションは、建物も設備もクオリティ高く作られています。耐震性が優れ、室内の防音効果が高い設計になっています。分譲賃貸のデメリットはそもそも募集数が少なく、賃料が高めの設定です。
収納スペース
備え付けの収納スペースの大きさは、家具を揃えるうえで重要です。クローゼットの幅やハンガーにロングコートを架けられる高さがあるかも確認。靴が全て収納できる靴箱かも確認しましょう。
キッチン
自炊する人は細かチェックしましょう。コンロは備え付けか持参か。冷蔵庫を置くスペースも確認。冷蔵庫のドアは右開きか左開きか。収納箇所は十分か。
浴室
お風呂の排水溝などから嫌な臭いがしないか。了承を得て、シャワーの水圧チェックをしましょう。シャワーヘッドを購入して取り換えることもできますが、確認しておきましょう。
トイレ
了承を得て、トイレの水を流してみるのはオススメです。便器にたまる水が少なすぎると臭いの原因になり、水が多すぎると跳ね返りの原因になります。タンクの中もチェック。外側が綺麗に清掃されていても、内部に汚れやカビが残っている場合があり、臭いやハウスダストの原因になる可能性があります。
洗濯機置き場
築年数によって洗濯バンの大きさに違いがあります。既存の洗濯機が最新のドラム式であれば、洗濯バンのサイズは必ず測っておきましょう。
ドアや窓の立てつけ
ドアや窓などの建具は動かして確認しておきましょう。立て付けが悪い場合は、建物の構造が歪んでいる可能性があります。しっかりと確認しましょう。
コンセントの位置と数
コンセントやTV端子の位置によっては、家具を配置する際の障害になります。間取り図にコンセントの場所を書いておけば、家具をレイアウトするときに便利です。アンペア数も確認しましょう。一人暮らしなら、30Aあると安心です。
エアコン・照明器具
エアコンと照明器具は付属の設備なのか確認が必要。前の入居者が置いていったものだと、あなたが修理や廃棄費用を負担しなければならない可能性があります。備え付けのエアコンは年式を確認。古いエアコンは電気代が高くなるので、交換可能か相談しましょう。
照明器具を自分で用意する場合、引掛けシーリング、リーラーコンセント等、コンセントには種類があります。既存の照明器具が使えない場合があります。天井の照明用のコンセントを写真に撮っておくことがオススメです。
インターネット環境
インターネット環境については、サイトで確認できますが、インターネット対応とインターネット完備の違いを整理しておきましょう。
インターネット対応
プロバイダを自分で選ぶことができます。デメリットとして、工事や契約の手続きを自分で手配する必要はあります。当然、費用も自分持ちです。
インターネット完備
インターネットを無料で、引越した日から利用できます。お得感がありますが、マンションの管理組合でプロバイダーと一括契約している場合、インターネット料金が家賃に上乗せされていることがあります。デメリットとして、自分でプロバイダーを選べません。ネット回線は住民全員で共有するため、多くの住民が同時にアクセスするとネットに繋がりにくくなり、通信速度が遅くなります。別途回線を引き直す場合、家賃や管理費に上乗せされた状態に加え、別途引き直した固定回線の料金として5000円前後の費用がかかります。
仕事でインターネットを使う人、YouTube動画を快適に楽しみたい人はインターネット対応の物件がオススメです。
携帯の電波状態
使っているキャリアとエリアの関係で、電波の入り具合には違いがあります。内覧は、実際にその場所で電波状況を確認できるチャンス。必ずチェックしておきましょう。階数が高くなると電波が届かなくなる場合があります。
電波が悪いときは、インターネット回線をwifiで飛ばす等、検討が必要です。
セキュリティ
防犯性に優れているインターホンは、モニター付きで録画機能が付いているものです。
防犯性に優れている鍵は、ピッキングされにくいディンプルキー(小さな複数の丸い凹み)や、車に多く使われいるウェーブキー(波状のラインのようなくぼみが彫り込み)です。
ピッキングの危険性が高いディスクシリンダーキー(鍵の両側がギザギザ)、ピンシリンダーキー(鍵の片側がギザギザ)の場合は交換できるか相談してみましょう。
窓のすぐ近くに電信柱が立っていないかも確認しておきましょう。
共用部分
共用部分も重要なチェックポイントです。きれいに使われているかどうかで、住民のマナーや適切な管理がされているかがわかります。
廊下・階段・エレベーター
廊下に自転車・遊具・プランターなど、住人の私物が放置されている、電灯が切れていると管理が不十分な可能性があります。廊下だけでなく、エレベーターや階段の掃除が行き届いているかも確認しましょう。
駐車場・駐輪場
自転車を利用する場合は、駐輪場と空きスペースがあるか確認しましょう。賃貸物件にある駐車場を借りたい場合は、空き状況を確認しましょう。ただし、賃貸物件とは別々の契約となるケースが多く、物件とは別に仲介手数料を請求されることがあります。
ごみ置き場
ごみ置き場が散らかっていないか、悪臭はしないか、収集日以外のごみが放置されていないかを確認しましょう。
これだけは聞いておきたい!担当者に確認すること
内見で、自分では確認できないことは担当者に聞いてみましょう。
初期費用を確認しておく
初期費用を確認しておきましょう。一般的な初期費用は、敷金、礼金、仲介手数料、日割り家賃、前家賃、火災保険料、鍵交換費用、保証料です。
予算の範囲内か確認しましょう。
もし、初期費用に消毒費用、光触媒コーティング費用、害虫駆除費用等があった場合
新型コロナウイルスに効果があると、光触媒コーティングを勧めてくる業者がいますが、無駄なので削除できるか聞いてみましょう。消毒費用、害虫駆除費用も同じです。そもそもやったかどうかもわからないです。
安心サポートや24時間サポートも不要です。「とりあえず、付けておいたほうが安心?」
という考えは、カモられます。
もし、初期費用に仲介手数料と事務手数料(書類作成費)があった場合
仲介手数料は不動産会社に支払う費用、事務手数料は管理会社に支払う費用と言ってきますが、仲介手数料の中に事務手数料は含まれています。宅建業法違反です。
不信に思ったら、別の不動産会社にしましょう。契約時にぼったくる会社は退去時にもぼったくる可能性の高い会社です。
バイクを所有している場合、原付までしか停められないところがあります。駐車場並の駐輪料金が必要な場合があるので、確認しましょう。
空き室になっている期間を聞く
空き室期間が長い部屋は人気がないということです。オーナーも早く入居者を見つけたいと思っているので、 家賃交渉してみましょう。
前の入居者について聞く
前の入居者の入居期間と退去理由を聞いてみましょう。入居期間が1年未満だったり、退去理由が曖昧な場合、事故物件が考えられます。不自然な修繕箇所がないか注意深い内見が必要です。
事故物件とは「自然死や不慮の事故死以外の死」や「特殊清掃が必要になる死」が発生した物件のこと。つまり、自殺や他殺が発生した物件や、自然死や事故死であっても特殊清掃が行われた物件が事故物件として取り扱われます。
国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」
事故物件かどうかの確認は、最寄りの交番に聞いてみるのが確かです。該当の部屋に入居するか迷っていると話せば、個人情報以外のことは教えてもらえます。
両隣、上層階、下層階の住民について聞く
両隣や上下階の住人について聞いてみましょう。個人情報には触れない程度で。家族構成や住人の年代だけでも、おおよその生活スタイルがわかります。
ご近所トラブルで一番多いのが騒音です。足音に関するトラブルでは生活習慣の違いが原因であることが多いです。1階エレベーターの横やエントランスの掲示板に、騒音やトラブルに関する張り紙がないかをチェックするのもオススメです。
【重要】内見当日の申し込みをオススメしない理由
希望条件が全て揃っている場合でも、内見当日の申し込みはオススメしません。同じ部屋を別の不動産会社も扱っているからです。費用を比べず、申し込むのは厳禁です。
申し込みを断ると、「仮押さえ、しときますか?」「入居審査は時間がかかるので、通るかどうかだけ、先に確認しときますか?」と聞かれることがあります。これは、申し込みをするということです。
「人気物件だから、すぐ押さえておかないと」と言われても、
「家族と相談して決めます。〇〇日までに、ご連絡します」がオススメです。
担当者にとって、あなたの利益は二の次。
急がされる人は、損します!
複数の内見をすること、申し込みをした後に、もっと条件のいい物件が出た場合、2つの物件に申し込むことになります。内見を続け、もっと条件のいい物件が出たら、3つの物件に申し込みをすることになります。
複数申し込みの際に気をつけること
- 管理会社が同じ物件に複数申し込みしない
2つ以上の物件を申し込んでいることが判明すると、入居審査に落ちやすくなります。
モラルのない人と判断されるからです。 - 審査が通ったら、他の物件はすべてキャンセルする
「すべての入居審査が通ってから、どれにするかを検討する」はNG行為。 - 契約書にサインしない(本契約しない)
契約書にサインした時点で、賃貸借契約が成立します。賃貸借契約が成立すると初期費用の支払いが必要。キャンセルすると違約金の支払いが必要です。
通常、入居申込書の提出後に申し込みをキャンセルする場合、正式な契約前なので、キャンセル料や違約金は発生しません。預り金も返金されます。
ただし、契約書の締結前に賃貸借契約が成立して、トラブルになるケースがあります。申し込み前に、申し込みの取り消しは可能か、可能な場合はいつまでに連絡をすれば良いか、担当者に確認が必要です。
同じ物件を扱っている不動産会社と比べてから申し込みしましょう。
「早い者勝ち」という言葉に惑わされないで。
気に入った物件を他の人が先に契約してしまったら、縁がなかったと思いましょう。
いい物件はたくさんあります。
まとめ
内見で重要なことをまとめました。
①内見前にサイトを見ればわかる基本的な条件、情報は把握しておくこと
具体的には、
立地、建物の種類、築年数、階層、間取り、家賃、入居時期、駐車場や駐輪場の有無
②物件選びの優先順位を明確にしていく
優先順位は人によって異なります。築年数より家賃の安さを優先する人、家賃より好立地
を優先する人。優先順位が曖昧だと、複数の物件を廻るうち、ブレてしまい、選べなくな
ります。
③効率よく、見るべきポイントをチェック
予め、抽出したポイントをチェック。同行者がいれば、効率が上がります。
④周辺環境を事前にチェックしてから、内見する
周辺環境は内見時間内では確認できないため、別日に設定。生活イメージができ、入居
してからの後悔が少ない。
⑤見えない情報は担当者から収集する
住民とのトラブル回避のため、快適に暮らすために必要な情報を収集します。
⑥内見で申し込みしない
他社と費用を比べて、慎重に申し込む。
引越しをする入居者が多いのは1~3月と決まっています。繁忙期に部屋探しをする人は早めの行動が重要です。時間がないと、冷静な判断ができなくなります。
はじめて部屋探しをする人は経験者に聞いてみましょう。失敗談ほど、有益な情報です。