- 賃貸住宅の解約はいつ、どこにすればいいの?
- 賃貸住宅の解約手続きで気をつけることはある?
- 不動産手続きは専門用語が多くて、よくわからない
解約手続きには注意すべき点が多く、お金に関わる重要な手続きです。
送られてきた書類をよく読まずにサインして返送することは厳禁です。払う必要のない費用を負担させられることがあるからです。
こちらに知識がないと、ぼったくる悪徳不動産会社が多いのが現状です。ぼったくられないための対策が必要です。
この記事を読めば、解約手続きの流れと不当な請求の対処方法がわかります。
損をしないための注意点は、やりとりは記録が残るメールにすること。疑問や不明点は問い合わせる。納得できない書類にサインしない。
賃貸契約書、解約通知書の確認すべき点とトラブル回避術。損をしないための解約手続き方法を丁寧に解説します。
賃貸解約手続きの流れと注意点
退去を決めたら、適切な期限までにその意思を伝えなければなりません。解約の連絡を「どこに」「いつまでに」「どのように」するかを、賃貸借契約書で確認します。
手続きが遅れると、家賃を無駄に支払うことになりかねません。
まず、解約手続きの流れと注意点を解説していきます。
- 賃貸借契約書と重要事項説明書を確認する
- 管理会社に解約の申し出をし、退去立ち会い日時を決める
- 解約通知書を確認して、返送する
①賃貸借契約書と重要事項説明書を確認する
賃貸借契約書とは、賃貸物件を借りるとき交わした契約書です。
賃貸契約書には、物件の名称や所在地、契約期間、更新日、賃料や共益費などについて記載された重要書類です。
重要事項説明書とは、契約に関する重要事項が説明された書類です。
賃貸借契約書に記載されている解約方法について確認してください。一般的に借主からの解約予告は退去の1か月前、もしくは2か月前までに申し入れます。
解約月の家賃の計算方法は、「日割り」「月割り」「半月割り」があります。家賃が無駄にならない解約日を決めます。
短期間で解約すると違約金が発生する場合があります。
賃貸借契約書に最低入居期間や解約に関する事項が記載されているの確認が必要。違約金が必要ない期間の解約を検討しましょう。
解約通知が更新期と重なった場合は更新料が発生する場合があります。
賃貸借契約書で解約通知の期限の確認が必要です。
設備欄には、室内の設備環境について書かれています。備え付けの照明器具やエアコンがある場合、リモコンや取扱説明書は返却しなければなりません。退去立会い日に返却できるように引越し荷物と分けておきましょう。合鍵も揃っているか確認しておきましょう。
備品を紛失していたり破損している場合は、解約申し出時に、その旨を伝えましょう。
費用は敷金から差し引かれます。
②管理会社に解約の申し出をする(メールがおすすめ)
契約書に記載されている連絡先に解約の申し出をします。
連絡は電話でもできますが、記録の残るメールがおすすめです。
連絡先は契約をした仲介不動産会社ではなく、管理会社であることが多いです。
家賃の精算方法や具体的な解約手続き方法も確認します。
退去連絡の時点では引越し日が決まっていないケースも多いです。
引き渡し日には、管理会社かオーナーに立ち会ってもらう退去立会いがあります。通常、退去立会いは荷物を搬出後の引越し日に行います。引越し日が決まったら、退去立会いの日時を決めます。
③解約通知書を確認して、返送する
多くの管理会社では、規定の解約通知書(物件によっては退去届・解約届とも)」を用意しています。入居時に渡されていることもあれば、解約の申し入れ時に郵送されてくることもあります。
受け取った解約通知書に費用負担に関する記載がないかを確認しましょう。
例えば
- エアコン清掃代2万円は借主が負担いたします
- 原状回復費用はすべて借主が負担いたします
- 敷金の返金がないことに同意します
このような記載があれば、契約書を確認します。契約書に記載がないのに、サインして返送すると、解約通知書の内容を了承したとみなされてしまいます。
対処方法
- 管理会社に問い合わせる(記録の残るメール)
- 問い合わせで解決しない場合は、不当な内容は二重線を引いて押印の上、返送する
- 配達記録郵便で返送後に、届いているかを確認する
解約通知書は、自分で作成しても問題はありません。記載項目は以下の内容でOKです。
- 解約通知日
- 解約日
- 住所・建物名(号室)
- 転居先住所
- 賃借人氏名
- 連絡先電話番号
- 敷金等返金口座
【賃貸 解約通知書 ひな形】で検索すれば、無料のテンプレートがダウンロードできます。
途中解約の場合、契約時に一括で払った火災保険の保険料は未経過期間に応じて返金されます。契約期間やプランによって返金額は異なります。契約書で確認するか、保険会社に問い合わせましょう。
解約通知書を送付後に、解約キャンセルはできる?撤回は法的に可能?
- 気が変わった
- 引越し先に問題が発覚し、引越しできなくなった
- 人事異動の内示が取り消しになった
理由によらず、解約通知書の送付後のキャンセルは原則不可です。
なぜなら、オーナーはできるだけ空室である期間を短くしたいので、次の入居者の募集をする準備をします。リフォーム工事、ハウスクリーニング業者の手配をします。
ただし、キャンセルできる場合もあるので、できるだけ早く管理会社かオーナーに連絡しましょう。
まだ退去していないので、居住権を主張できる?
入居者からの解約は民法540条2項により撤回はできません。
第540条【解除権の行使】
① 契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。
② 前項の意思表示は、撤回することができない。
解約申込書が管理会社に届く前に、解約の撤回の連絡が入っている場合は、解約の効力は発生しません。賃貸借契約は有効です。
解約のキャンセルを了承してもらえた場合、違約金や損害金は発生する?
契約書に記載がなければ、違約金は発生しません。
まとめ
退去が決まったら、速やかな解約の申し出が必要ですが、注意も必要です。賃貸借契約書や解約通知書の重要な部分は、目立たないように記載されていることが多いからです。
単なる事務手続きと考えずに、慎重に行いましょう。また、解約通知書を発送後のキャンセルも難しいので、新居の段取りや引越し準備も早めの行動が重要です。
特に、3~4月の引越しシーズンは注意が必要です。
- 管理会社とのやりとりは履歴が残るメールにする
- 家賃を無駄に支払う期間がない解約日を決める
- 賃貸借契約書、解約通知書は熟読する
- 解約通知書の納得できない内容は二重線を引き、押印する
- 返送後は届いたかの確認をする